学生がASを立ち上げた話
この記事は、 大阪工業大学 Advent Calendar 2022の16日目の記事です。
どうもこんにちは。留年したせいで大学に5年間居るB4(B5)のnyancoです。今回は自分と同期達(卒業済み)と同期(卒業できず)でAS番号を取得してインターネットの一部になった?話をします。
ASって何?
ASの話をする前にインターネットとBGPの話をします。皆さんが普段使っているインターネットの中身はGoogleやAmazon、Yahoo、Twitter、Netflixなどの様々な企業のネットワークが相互に接続することで成り立っています。
そしてただ接続するだけでなく、どこに誰が居るかという情報はBGP(Border Gateway Protocol)という決まり事に従ってやり取りしています。そのため私たちは地球の裏側にあるサーバーにもアクセスすることが出来るのです。
BGPでは↑で書いたような組織の単位としてAS(Autonomous System)番号を使います。この番号はインターネットを構成しているBGP網で一意に定まるように各組織や企業に割り当てられています。
例えばAbemaなどを展開しているCyberAgentでは63790のAS番号が割り当てられていてインターネットのBGP網に接続するために使用しています。
以下はBGP網のごく一部です。書くと無限に時間がかかるのでこれくらいで勘弁してください。このサイトを見れば世界中のASの接続が見れます。
このようにAS番号と接続してくれる組織(トランジット)があれば自分で作った組織でもインターネットを構成する一部になることが出来ます。
ASを取得するには
AS番号は使われていない番号を勝手に名乗ることはできません。AS番号はグローバルIPアドレスと同じく限りある資源なので胡散臭い組織に勝手に使われると使いたい組織が使えなくなってしまいます。なのでAS番号を欲しい団体は申請を行い受理される必要があります。
日本地域ではJPNICという組織から割り当てを受けることができ、組織としてAS番号を割り当てる正当性が認められれば取得することができます。
私は愉快な仲間たちと以下の理由でAS番号を取得したいとJPNICに申請しました。
- 他団体ではできない様々な機器を使った安定性が保証されていない技術の検証や運用試験
- 上記を利用したBGPの接続性やグローバルIPアドレスの提供
- 割り当てられた資源を使ったネットワーク技術を学びたい学生の学習支援
上記の内容でJPNICに申請しメールのやり取りや数回のビデオ通話での相談の後、AS63791を取得できました。またインターネットのBGP網に接続するために/23のグローバルIPv4と/32のグローバルIPv6アドレスも一緒に割り当ててもらいました。これらの資源を管理し牛の歩みで上記の実現に向かって進んでいます。
さいごに
私と愉快な仲間たちでAS63791を運用しているdoornocという団体では現在ユーザーを募集しています。ネットワーク技術に興味があってBGPの接続をしてみたかったり、グローバルIPアドレスが欲しかったりする学生はぜひ一声かけてくれると嬉しいです。話すだけならタダだし